【フジコヘミング】あの日あのときあの番組「フジコ~あるピアニストの軌跡~」

NHKのETV特集、「フジコ~あるピアニストの軌跡~」という番組ご存知ですか?小さい頃からピアノを習っていて音楽大好きな私のお気に入り番組です。前にも録画して大事にしてたんですけど、引越しやらテレビ買い替えで消えてしまって…

でも今回また放送してたのですかさず録画しました!これ1999年の放送なんですね~古いっ!紹介のシーンに美輪さんが出てて、「フジコさんと気が合いそう」と何となく思ったら、家にも行ったことがある仲だとか。

フジコ・ヘミングとは

ベッドの上の猫

フジコ・ヘミング、本名ゲオルギー=ヘミング・イングリッド・フジコは、日本とヨーロッパ・アメリカで活躍するピアニストである。 父親がロシア系スウェーデン人(画家・建築家のヨスタ・ゲオルギー・ヘミングで母親が日本人(ピアニストの大月投網子)。ベルリンで生まれる。スウェーデン国籍(長らく無国籍の状態が続いた)。

フジコさんはピアニストでリストが得意。ラ・カンパネラは有名で、私もこの人の弾くラ・カンパネラはゆっくりだけど好きです。気持ちが込もっていて1つ1つの音がすごく綺麗に響いてる。

番組でも触れられていますが、フジコさんは幼くしてお父さんが国に帰ってしまい経済的にも苦しい中育ち、大きくなってからも国籍がなく難民扱いになったり耳が聞こえなくなってチャンスを失ったりとかなり苦労して育ったんですね…

やっぱり才能は勿論あると思うけど、心を込めて弾くには、こうした苦しみを経験していることが大きく関係していると思います。

フジコ~あるピアニストの軌跡~「ハンガリアン・ラプソディー」

ヴィンテージオルガン

無国籍の彼女

冒頭でフジコさんが弾くリストの「ハンガリアン・ラプソディー」これがまた素敵です。激動のフジコさんの人生を代弁してるみたいな、激しいけど物悲しいロマンティックな曲です。

「リストを弾くために生まれた」と欧州では評価されていたんですね。国籍がなく(その時点では)いろんな国を放浪してきた為、私には祖国がないと言うフジコさん。愛国心というと微妙ですが、私も日本に生まれて良かったと思うし日本の文化が好きだし、そこで生まれてそこに所属しているというのは「きちんとこの身を認められている、保障されている」という感覚が潜在的にある気がします。当たり前すぎて考えないだけで。だから、それがないというのはどんなに心許ない過酷な辛さなんだろうかと思います。

それでもフジコさんはどこにも属さないからこそ永遠に生きて永遠に弾き続けることができるわと語ります。なんか、この人は不幸自慢がないし、それによって人に優しくしてもらおうとか全く考えてないし、本当に強い人です。

日本の家(東京・下北沢)

線路のすぐ近く、劇団の稽古場だった大きな3階建ての家で、9匹の猫達と暮らすフジコさん。ピアニストと猫ってめっちゃしっくりくる組み合わせ。猫の餌がお肉と白菜を混ぜたような美味しそうなやつです(*‘ω‘ *)←食い意地。インタビューの間も鉛筆なんかでじゃれる猫w可愛い^^

この家は他界したフジコさんのお母さんが遺したもので、その死をきっかけに30年余りの外国生活を終えて日本に戻ってきたとのこと。

自分の演奏について

若い時は何にも分からないで弾いてるけど、歳を取るとどんな風に弾きたいかが分かるから今の方が良いわよ、と言うフジコさん。それに私が感じてたみたいに、1つ1つの音に色を付けるように弾くとも言っていました。弾きたいと意識していることがそのまま聴いている人に伝わるって凄いことですよね。

夜想曲(ノクターン)

ショパンの横顔

ショパンのノクターン2番。ノクターンの中でもこの2番は誰でも聴いたことがあるくらい有名です。「夜想曲」という文字通り、物思いにふけりながら弾ける曲が好きというフジコさん。月の光が照ってるとか、ベルリンの夜とか昔のことを想うという何ともかっこいい台詞。

昭和初期にピアノ留学していたフジコさんの母と建築家の父がドイツで出会い結婚したそうです。この一文でお母さんの優秀さが分かります。そしてフジコさんが5歳の時に日本に越してきた一家ですが、戦争が迫っていた日本で外国人のお父さんが生活しやすいわけもなく、妻と子供を残して日本から帰国してしまいます。

両親が喧嘩している様子を思い出したり、お母さん以外のいろんな人に預けられたり、サンタさんの格好で玄関から入ってきたお父さんを見て泣いたことを思い出すフジコさんでした。

深夜までピアノを弾くフジコさんは朝11時に起床。ベジタリアンなので朝食は命の源になるというじゃがいもオンリー(絶対足りんやろ!!)

どんな服にも自己流のアレンジを加えるフジコさんは、レースを切って胸元にしのばせるおしゃれさん。人と同じことをするのが大嫌いだそうです。ジャケットにお花の刺繍をしたりと手芸も出来るんですね^^

お母さんはピアノ講師で家を空けることが多かったので、ほとんどの時間を1人で過ごしていたそうで、うちはお父さんがいなくて貧乏なんだ、と子供心にいつも思っていたそうです。

「センチな気分になったんじゃない。貧乏ごっこで、雨の日に傘をさすとポツポツ音がして、「私は貧乏で明日はお金がないわ、どうしたらいいかしら」と独り言でも言ってたんじゃない。それを楽しんだわよね。」

この言葉は印象的でした。フジコさんの強さはこの考え方にあるんだな~って。

※因みに、ショパンの演奏はマウリツィオ・ポリーニさん!この方が超超おすすめです!

Parlez-moi d’amour(聴かせてよ、愛の言葉を)

ピアノ楽譜

ジャン・ルノワールの曲を歌いながら弾くフジコさん。この曲めっちゃ綺麗です。お母さんは生活が苦しくても、留学先のドイツで買ったグランドピアノだけは手放さなかったそうです。

この曲気に入っていろんな人が歌ってるの探したんですけど、結局フジコさんの歌声が1番良かった。なので歌なしのリチャードクレイダーマンのを1つ見つけたので、何かやっぱり違う感が否めないけどそれをしぶしぶダウンロードしときました…(この人のピアノも凄い綺麗なんです💦思ってるのと違うだけで(;’∀’))

月光

月の木のイラスト

フジコさんが20時に布団に入ると、ベートーヴェンが好きなお母さんがこの曲を弾いているのが聴こえて「なんて素敵なんだろう」と思ったそうです。悲しい曲ですけど低音が響いてほんとに月の光みたいですね。月はやっぱり芸術家の心を惹き付けるようで、たくさんの人が作曲してますが、どれもよく月光を音で上手く表現していてとても尊敬します。ドビュッシーとか、天才だと思う。

お母さんの厳しい指導で才能を開花させていったフジコさんの演奏は「夢のよう」と評価されました。小学3年生の時はラジオに出演して天才少女と騒がれるほどの才能だったみたいです。その後新人音楽家の登竜門であるNHK毎日コンクールに入賞。ピアニストとしての将来を期待されます。

しかし、スウェーデンに1度も住んだことがことがないのにスウェーデン国籍のままだったフジコさんは18歳で国籍を失いました。ドイツへ留学したかったのにそのせいでパスポートが取得できず、避難民として出国するしかありませんでした。やっと留学出来たときは既に30歳。

遅いスタートでしたが、留学してから世界的音楽家のバーンスタインがフジコさんの才能に注目します。ベートーヴェンも演奏したことのあるという会場で、バーンスタインの前で演奏を披露すると、彼は目を輝かせて喜んだそうです。その時のことは「忘れられないわ」とフジコさんは言っていました。

ため息

森林と山と川

リストのこの曲はお気に入りです!流れるような綺麗なメロディで題名が「ため息」て。センスの塊かっ。リストは弾くのがかなり難しく、技術的に弾けない人がたくさんいます。それを何でもないように軽やかに弾くフジコさん

しかし、リサイタル直前に風邪を引いて耳が全く聞こえなくなるという不幸に見舞われます…演奏会の予定は全てキャンセルし、徐々に音楽界から忘れられていきます。

「聞こえないで弾いていて、何にも聞こえてこない。あれほど嫌なことはないわよ。その時のことはもう、、思い出したくない。」と言ってましたが、音楽に生きてきたのに音が聞こえなくなるという辛さは想像しようとしても出来ないですよね…

この聞こえない2年間程でピアニストとしてのチャンスが失われました。「悪魔がいるんだこの世の中に」とフジコさんは言ってました。

耳の治療に専念したものの片方の耳が40%回復しただけでした。その後スウェーデンへ国籍を取り戻す旅に出ます。音を失くして、慰められたものは絵を描くこと。フジコさんの絵はこれまた不思議な魅力があるんですよね。音楽にも絵にも才能があるなんて凄い。

日本に帰らなかったのは、”ざまあみろ、お前は何にもできないで帰ってきた”と思われたくなくて、もう少しちゃんとしてから帰ろうと思ったとのこと。その後およそ30年をヨーロッパ各地で演奏して回りました。

 

部屋でクリスマスツリーを飾るフジコさん。オーナメントが可愛くてとても綺麗。特に思い出深いクリスマスを聞かれて、「ストックホルムで一晩中ひとりでクリスマスツリーの前に座って、多分そうなるであろう夢を見てたら、全然実現しなかったけどね、楽しかった」と語りました。

午後4時頃に買物に行くのが日課のフジコさんは、美味しそうなお煎餅屋さんで猫がどこ行ったのか聞いたり、雑貨屋さんを見て回ります。(道行く高校生がルーズソックス!(;゚Д゚))今は劇団に稽古場を貸して、ピアノを教えて収入を得ているそうです。天国に行ったら、どういう経験をしてどういう人と会ったかというのを思い出したいわ、と言っていました。

ホットカーペットの上でたくさんの猫が寝てる中、絵を描くフジコさん。自分の才能を認められたいと話します。「だからやっぱり負けず嫌いよね私は」と。更に「なにも5つしか持っていないのを10に見せようなんて、そういうのはもう大っ嫌いだからね。もっとうまい人はいる、そんなことじゃなくて他のことがね。」この言葉を聞いたら、この人はよく自分のことが分かっていて、その上で見合った努力がきちんと出来る人なんだなぁと尊敬しました。

ラ・カンパネラ

鐘

フジコさんは母校の東京芸大の旧ホールで再起のための演奏をします。若い頃コンクールで1曲抜かして弾くのを忘れたことがあったので、舞台袖で曲順のメモを見ていました。楽屋からステージへ行くのを地獄へ行くようだというフジコさん。

ヨーロッパでたくさん演奏してきたのに「死にそう」というほど緊張しているのを聞いて驚きました。全然そんな風に見えない!前の人が弾いてるパイプオルガンがまた緊張を煽りますね💦立ち見が出るほど多くの人がフジコさんの演奏を聴きに来ていました。

リストのラ・カンパネラは複雑な変奏と超絶技巧で「世界で最も難しい曲」と言われています。イタリア語で「鐘」という意味だけあって、出だしから本当に鐘を打っているみたいですが、メロディも素晴らしくて迫力があるのに繊細でとても好きな曲です。フジコさんはリストの中でもこの曲を得意としています。すっごく速く弾く人もいますが、ゆっくりめでも私はフジコさんのカンパネラ好きです^^

「私が世界で1番上手いなんて思ってるってわけじゃなくて、私は自分のカンパネラが1番気に入ってて他の人の弾き方嫌いなのよ」決して己惚れでもなくこう言い切れるのがかっこいい。私はいつも自信がないとか言って失敗してもいいような言い訳とか伏線を張って生きてるので恥ずかしくなりました。自分が好きじゃないもの、自信がないものを表現すべきじゃない。自信ないならそんなことアピールしてないで努力しろよって自分に言いたい(T_T)。

「1つ1つ魂が入ってるような…ぶっ壊れそうな繊細な芸術家の方がすき。あまり完全で機械みたいなのは嫌い」ほんとその通り。次元が違うものの私もピアノをずっと習ってたので、技術的には上手いけど全然心が込もってないというか何も感じない演奏をする子いました。

フジコさんちのインテリアが素敵

インテリア

赤い布をかぶったグランドピアノがドーンと置いてあるのがまず素晴らしいです。そして部屋に飾ってあるたくさんの絵画や暖かい光のフロアランプとクリスマスみたいな照明が素敵すぎる。月と太陽の可愛い照明はどこで買ったんかな~、ほんと欲しい!可愛い^^。

家具も、ウィーンの珈琲屋さんのおしゃれな椅子とか、海外の品もたくさんあるからこんなに外国っぽくて素敵なんですね~!

薔薇やキャンドルが飾ってあって、カーテンもなんかオシャレなんですよね。きちんとしてなくて緩く掛けてある感じがまた良い。

何度も見てるけど、ほんとこの番組好きです。綺麗な音楽と、インテリアとか猫とか見ててお腹いっぱい大満足^^こういう昔の質の良い番組をもっと放送してほしい。最近テレビつまらないから、、期待してまーす!

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